落葉の季節になると、真光寺の本堂の前庭は、黄金色(こがねいろ)に輝きます。
毎年のように繰り返され、なんとも素晴らしい景色です。
これは“勝沼の大いちょう”の落ち葉の絨毯なのです。
しかし“枯葉”というととてもさみしい感じを受け、
シャンソンの枯葉を聞くと、涙が出てしまう人もおられるのではないでしょうか。
けれども真光寺の“黄金色の絨毯”は元気が出ます。なぜでしょうか。私にもわかりません。
でも元気が出るのです。
春の芽生えの水々しい若草色、夏の力いっぱいの緑のいちょう。
そしてその力を見せてくれる黄金色の絨毯です。
永い間、つくしてくれた真光寺の庫裏の跡地にはホールが新設されました。
その名は『いちょうホール』。
勝沼の大いちょうにあやかってのネーミングです。
明るく正しく元気の出るホールとして活動していきたいものです。
いちょうホールの新設に併せてまたおひとり、新しい“ほとけさま”をお迎えしました。
厩戸皇子(うまやどのおうじ)、そうです聖徳太子です。
浄土真宗の祖でいらっしゃる親鸞聖人がお若い頃、
聖徳太子の本地仏とされる如意輪観音の示現を受けて念仏の教えに入られたとされることから、
聖徳太子は親鸞聖人と浄土真宗にとって、とても大切な方なのです。
聖徳太子は20歳の頃から推古天皇の摂政となられ、
29年間(49歳で亡くなられています)多くの功績を残されました。
十七条の憲法は特に著名です。
多くの寺々を建立されたことから工事や職人の方々の尊崇を受けられ、
建設関係の人々の守り神となり、
当時の大陸から導入された伎楽を少年達に取得させたことから、
芸能の神となりました。
また、お生まれになったのが“厩(うまや)”の前であったことから、
馬を扱う人達の神となるなど、今日では多くの人々から守り神として尊崇されています。
真光寺では庭の一隅に“太子堂”を設けて聖徳太子をお迎えしました。
2月22日がご命日、この日には“講”の方々がお参りくださることでしょう。
“勝沼の大いちょう”は、黄金色の絨毯と併せて、丸々と大きないちょうの実を授けてくださいました。
聖徳太子のお徳もきっと賜ってくださることを信じています。